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ぎっくり背中は、単に「背中をひねった」「筋肉を痛めた」という一言では説明しきれない症状です。
実際には、
筋肉や筋膜の急な緊張、肋骨まわりの動きの悪さ、呼吸や体の使い方の乱れなどが重なり、ある動作をきっかけに痛みが一気に表に出た状態を指すことが多くあります。
そのため、背中に強い痛みが出たとき、「これはぎっくり背中なのか?」
それとも「別の原因を疑ったほうがいいのか?」という判断がとても重要になります。
背中の痛みの中には、肋間神経痛や内臓からくる関連痛、場合によっては画像検査が必要になるものも含まれます。
見た目や痛みの強さだけでは、区別がつきにくいのが実情です。
この記事では、臨床で実際に使われている視点をもとに、
・ぎっくり背中と肋間神経痛の違い
・内臓疾患が疑われるサイン
・レントゲンやMRIを考える目安
なども整理しながら、ぎっくり背中の症状チェックの仕方の全体像、原因と対処法を網羅して解説していきます。
最新の動向をふまえて大幅に加筆修正してますので、
読み終えたときに対処の仕方、どこでどう治療を進めればいいのかなど、判断がスムーズになっているはずです。
〜目次〜
突然背中に強い痛みが出ると、
「これは本当にぎっくり背中なのか?」
「肋間神経痛や、内臓の病気ではないのか?」
と不安になる方も多いと思います。
結論からお伝えすると、ぎっくり背中の多くは筋肉や姿勢による負荷が原因ですが、中には似たような症状で確認が必要なケースも存在します。
次の項目に当てはまる場合は、ぎっくり背中以外の可能性も考慮しましょう。
・痛みが背中から”肋骨”に沿って帯状に広がる、またはピリピリ・ビリッと走る感じが続く
・皮膚に発疹や水ぶくれが出ていて強いピリピリ感やかゆみを伴う。
・じっとしていても横になっていても痛みが変わらない
・深呼吸や体勢を変えるなどの動きと関係なく、一定の強さの痛みが続いている
・食後、夜間、空腹時などに痛むことがある。
・発熱・息切れ・動悸・強いだるさなどの症状がある
・吐き気、嘔吐、黄疸、体重減少などを伴う
などは、ぎっくり背中以外の原因(肋間神経痛や内臓疾患)を考慮する必要があります。
また、
「レントゲンやMRIを撮った方がいいのか?」
と悩まれる方も多いですが、すべてのぎっくり背中で画像検査が必要なわけではありません。
大切なのは、今出ている痛みがどのタイプなのかを見極めることです。
このあとの本文でも
・ぎっくり背中と肋間神経痛の違い
・内臓疾患が疑われるサイン
・レントゲンやMRIが必要になるケース
などについても後ほど解説していきます。
まずは、
「ぎっくり背中の症状の特徴はどんなものがあるのか」
「そもそもぎっくり背中の原因は何なのか(本質)」
判断材料にする為にも、速やかに対処して痛みから解放される為にも読み進めてみてください。
次のような症状に心当たりはありませんか?
・体を一定の角度に傾ける・ひねるだけで痛い
・息を吸ったり吐いたりするだけで背中が痛む
・深呼吸するとビキッと鋭い痛みが走る
・歩くだけでも背中に響く
・背中がつったように固まった痛みがある
・首を動かした瞬間にピキッと背中に痛みが走る
これらに当てはまる場合、ぎっくり背中で来院される方が共通で訴えることの多い特徴です。
・くしゃみ・咳をした瞬間
・床の物を拾おうとして屈み、そこから起き上がる瞬間
・朝起きてすぐ、勢いよく前屈した瞬間
・長時間のデスクワーク後に背伸びをした瞬間
・椅子から立ち上がる瞬間
・筋トレで反動を使って体を動かした時
・電車で首をカクっと前に曲げて寝てしまったあと
「重い物を持ったわけでもないのに…」というケースが多いのも特徴です。
痛みは大きく分けて、次の2種類で考えます。
① ケガによる痛み
・転倒した
・ぶつけた
・強い外力が加わった
など、明確な原因がある痛みです。
② 慢性的な負荷の蓄積による痛み
・運動不足が続いていた
・元々運動をあまりしてこなかったが最近はハードにジムに通っている
・デスクワーク中心で猫背姿勢が多い
・一方でデスクワークはそれほどしないがスマホを日常的に変な姿勢で見ることが多い
・首が前に突っ込む姿勢の自覚がある
それぞれの動作や姿勢自体は当たり前のように自分の体に馴染んでしまってますので体への負担は自覚しにくいですが、水面下で少しずつ体に負担を蓄積させます。
「デスクワークで運動不足」は”ぎっくり背中”の温床になることは想像しやすいですが、ジムに通ってパソコンもそこまでしないのになぜ?と思われている方は、姿勢そのもので首がストレートネックになっていないか、肩甲骨がおじぎするように前と外に移動していないか、などチェックしていく必要があります。
この視点で見ると、ぎっくり背中の多くは②の慢性的な負荷が土台にある痛みと考えられます。
原因は大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。
① 筋肉の問題(トリガーポイント発生)
筋肉は疲労が蓄積すると柔軟性を失います。
例えるなら、劣化した輪ゴムが少し引っ張っただけで切れてしまう状態。
同じように、疲労した筋肉は「ちょっとした動き」で痛みを出しやすくなります。
さらにやっかいなのは、慢性的に放置されると筋肉の中に部分的に固いしこりのようなものを感じるようになります。
これも例えると、焼き鳥を食べた時に経験がないでしょうか。
歯につまるあのコリッとした繊維っぽい感じのイメージです。
筋肉が固まりすぎてトリガーポイント化すると、息をしただけでも・首を動かしただけでも、ちょっとした動きでズキっとした痛みを出すようになることがあります。
② 椎間板の問題
背骨の間には、クッションの役割をする”椎間板”があります。
よくヘルニアで問題になる箇所ですね。
猫背などで背中を丸めた姿勢が続くと、この椎間板に過度な圧がかかり潰れていきます。
元々クッションの役割もありますので、長時間(累積も含む)でなければ背骨のバネと協力して負担を分散しているのですが、日々の体の使い方のクセによって劣化させた状態を放置すると、
・電気が走るような痛み
・ピンポイントで鋭い痛み
・体を前に曲げたり反らしたり倒したりねじったりすることへの恐怖
・セキやくしゃみでも響く痛み
を感じることがあります。
① 筋肉への対処
筋肉は動かさないと固まります。
理想は、
・デスクワーク中に1時間に1回
・軽いエクササイズ(面倒であれば立ち上がるだけでも)+じわっと伸ばすストレッチ
を組み合わせることです。
つまりは「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の併用です。
血流を淀ませない為には筋肉の”温度”を上げる必要があります。
これはあまり語られないことですが、痛みの物質も血流が滞れば流れずにいつまでもその場所に居座ります。
これが長期間放置されると、いつの間にか筋肉の伸び縮みの能力が衰えてくることにつながってしまいます。
だからこそ地味だと知っていても、体操やストレッチは半永久的に今後も重宝されていきます。
② 椎間板への対処
重要なのは猫背姿勢の改善とストレートネックの位置修正です。
ポイントは、
・骨盤を立てる(おヘソを前に出すイメージ)
・頭が背骨の真上に乗る(顔の面を手前に少し引くイメージ)
・でも反りすぎない(筋肉への負荷がかかりすぎることもまた負担)
「胸を軽く張り、肩甲骨を背骨に寄せる、おしりの下の固い骨全体に体重を乗せる」イメージを持ってみてください。
もちろん言ってすぐにできればいいのですが、なかなか関節や筋肉そのものに硬さがあると負担を減らす姿勢であっても、負荷はかかる、という矛盾が出てきてしまうのが心苦しい所です。
また、ぎっくり背中はケガではないケースが多いため、冷やすより温めることが推奨されます。
温めることで血流がよくなりますので、前述の筋肉や関節、椎間板への栄養供給がポジティブに作用する側面もあります。
ぎっくり背中は「急に背中が痛くなった」という点では共通していますが、
肋間神経痛や内臓由来の痛み、画像検査が必要なケースとは性質が異なります。
ここでは、現場でよく質問される3つの視点から整理します。
まず混同されやすいのが「肋間神経痛」です。
ぎっくり背中の特徴は、
・動いた瞬間・姿勢を変えた瞬間に強い痛みが出る
・呼吸や体幹の動きで痛みが増減する
・押すと痛いポイント(筋・筋膜)がはっきりしていることが多い
一方で、肋間神経痛の特徴は、
・肋骨に沿って“ビリッ”“ピリピリ”と走る痛み
・動かずに安静にしていても痛みが出ることがある
・皮膚表面の感覚異常(違和感・過敏)を伴う場合がある
皮膚感覚の違和感や、肋骨に沿って痛みが出る場合は肋間神経痛の症状の可能性があります。
「内臓由来の痛み」としては、以下のような特徴がある場合、ぎっくり背中とは別の視点が必要になります。
・安静にしていても痛みが変わらない
・動いても押しても痛みがほぼ変化しない
・発熱、吐き気、黄疸、強い倦怠感などを伴う
・背中だけでなく、胸・腹部・みぞおちにも違和感がある
内臓由来の痛みは、筋肉を動かしても症状が再現されにくいのが特徴です。
あきらかに内蔵がおかしいなというご自身の感覚も大事にして、早めに医療機関での確認が安心です。
「ぎっくり背中でも検査は必要ですか?」
という質問は非常に多いですが、答えは ケースバイケース です。
画像検査で確認することが安心につながる代表的なケースは、
・転倒・事故など明確な外傷がある
・痛みが強く、日常生活がほぼ不可能な状態が続く
・ろれつが回らない、視野が狭くなる、しびれ、脱力、感覚異常を伴う
明らかにケガや病気の可能性が疑われる場合は、一度レントゲンでドクターの診断を仰ぐことが必要です。
Q. 冷やした方がいいですか?
A. 打撲など明らかなケガでなければ、ぎっくり背中のような急性の症状でも温める方が前述の理由から適していると考えられます。
Q. どれくらいで痛みが引きますか?
A. 多くは1〜2週間が目安になります。安静にし過ぎず、動ける範囲で動かすことが大切です。
痛い中で動かすことはかなり難しく感じると思いますが、自分でやる場合は少しずつチャレンジしてみてください。
Q. ぎっくり背中を放置するとどうなりますか?
A. 痛みをかばう姿勢が続くことで、首・腕のしびれや腰痛につながることがあります。
怖がる必要はありませんが、ヘルニアの可能性も想定して早めに対策をしていくことは重要です。
Q. 楽な姿勢はありますか?
A. あごが上がって前に突き出た姿勢で固まってしまっていることが多いのがぎっくり背中の特徴ですので、基本的にはその姿勢のままでいることが楽なはずです。
ただし、その姿勢こそがそもそもストレートネック姿勢でもあり、椎間板への負担もかけ続けることになりますので、楽な姿勢と痛いけど修正に向かう姿勢を併用して頂ければと思います。
前述の骨盤の上に頭が乗るような形です。
Q. 咳やくしゃみはどうすれば?
A. ぎっくり背中などの急性症状は咳やくしゃみでズキっとした痛みが出てしまいます。
壁や机に両手や片手をついてするだけでも反動を押さえることができ痛みが和らぎます。
Q. お風呂は入っていい?
A. 問題ありません。血流改善のため、入浴はおすすめです。
Q. 痛み止めは飲んでも平気ですか?
A.痛みで寝れない、デスクワークに集中できないなど、日常に支障が出るほどの場合、併用して頂くことは大丈夫です。
寝返りができないことは睡眠の質を下げ結果的に自律神経も過敏になります。
痛みをより強く感じて悪循環のループに入ってしまっている状態から脱却するきっかけを掴むためにも、痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、ロキソニンやイブプロフェンなどの市販薬)はお守りになると思います。
ぎっくり背中は、猫背・骨盤が後ろに倒れた姿勢・丸腰姿勢など、日々の負担の積み重ねで起こります。多くの場合、
・背中がいつもより少し張ることが続いてる自覚がある
・違和感程度なのでお風呂に入ると忘れている
・肩を回した時に首の付け根も引っ張られる気がする
といった小さなサインが出ていますが、「まだ大丈夫」と見過ごされがちです。
その場しのぎでなんとか対処するのももちろん悪くないですが、筋肉だけでなく、椎間板や神経への負担も考えると、根っこにある原因ごと取り除くことはいつかやる必要が出てきます。
早いに越したことはないですがそのためには、
・現状どうなっているのか
・何が今自分には必要なのか
・どうすればその痛みを攻略できるのか
・何が良い姿勢なのか
・どうすれば無理なくそれを保てるのか
などを理解し、自分で体をコントロールできる状態を目指すことが重要です。
今急性期で痛みをすぐに何とかしたいという方はもちろんのこと、今まで手をつけてこなかった自分の体へ意識が向いてきている方もまた、気になることがありましたら現場の人間に相談してみるのも一つの選択肢です。
LINEでもお電話でも思い立ったらどうぞメッセージしてみてくださいね。