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世界で座る時間が一番長い日本人、なんだそうですね。
これによる弊害は色々と言われてますが、それに比例するように運動をする時間も少なくなっていく方も少なくないようです。
今回はその弊害として出てきた太ももの前、特に鼠径部(股関節の付け根)の痛みや違和感について考察していきたいと思います。
あきらかな外傷や病気の可能性がある場合、まずは医療機関を受診されることが優先されます。
代表的な疾患は痛みを感じる部位によって変わってきます。医師の判断を仰ぎ原因を特定することが大切です。
前面
大腿四頭筋断裂:外傷によって断裂を起こした部位に痛みや腫れを確認できます。
後面
ハムストリングスの断裂:肉離れとしてよく聞くことがあるかもしれません。
坐骨神経痛:こちらは以前の記事でもご紹介しております。
付け根に近い方
大腿骨骨頭や頸部の骨折:転倒や交通事故等で急激な力が局所にかかった場合。
また骨密度が低下している場合にも疑われます。
膝に近い方
半月板や靭帯の損傷:スポーツ外傷ではよく聞くことがあるかもしれません。
ではこれら明らかな病変や疾患が見つからない場合に考えれることは何でしょうか。
原因が特に思い当たる節は無いにも関わらず、そけい部や股関節回りに違和感や痛みを感じる場合、日常生活で以下のことを経験されている方がほとんどです。
・デスクワークで長時間の座り姿勢
・圧倒的な運動不足
多くの方がリモートワークや新しい生活スタイルの定着で今までと違った体の使い方になりました。
慢性痛の主な原因はこれら生活習慣が引き金になることが多く、その対処は安静にすればするほど悪化してしまうケースも少なくありません。
最初に整形外科を受診された方でレントゲンでは異常が見られなかった場合、以下のような処置をされることが一般的だと思います。
湿布
鎮痛効果を期待して処方されるものです。
電気治療
EMSや低周波治療に代表されるものです。市販されている腹筋を鍛える6パッドで 知っている方も多いのではないでしょうか。
注射
ステロイドやトリガーポイント注射を患部に直接打つことで疼痛の緩和を目指します。
内服薬
痛み止めや痛みの伝達を遮断する為の飲み薬です。筋肉を弛緩させるものも処方された経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろんこれらも大事なのは言うまでもありません。
ただ、再発させない、現状なかなか痛みや違和感が取り切れない場合、安静にするだけの処置から脱却する段階にきているかもしれません。
では、安静以外の方法で具体的にどのようにしていくのでしょうか。
太ももの筋肉の構成と役割を紐解きながら、日常で行えるエクササイズやストレッチをご紹介します。
太ももの前の筋肉は4つのパーツで構成されています。
・大腿直筋
・外側広筋
・内側広筋
・中間広筋
このうち、股関節をまたいでついているのは大腿直筋のみです。
・歩行
・ジャンプ
・着地
・スクワット運動etc..
日常の動作にすべて関与してくるこれらの筋肉は、適度に動かすことで筋肉がポンプのように血行を促してくれます。
ところがデスクワークで固定したまま長時間過ごすことでその機能が失われ、次第に固くなっていきます。
筋肉は過度に動かし過ぎることのストレスに加えて、長時間動かさないことのストレスもまた感じます。
安静にして改善しない場合は動かして改善することも視野に入れていきましょう。
そもそもなぜ太ももの前の筋肉が硬くなってしまうのでしょうか。
太ももの前側にある筋肉群は上記でも見てきました通り、足を上に上げる(屈曲)動作をする筋肉でした。
一方で後ろに蹴る動作は太ももの後ろの筋肉とお尻が担当します。
つまり、(伸展)動作をする際、太ももの前の筋肉の力が抜けていなければ、ブレーキを踏みながらアクセルを踏むのと一緒で、かなりの無駄な負荷がかかってしまいます。そのことからも、
「後に蹴る動作をした時に太もも前が必要以上に緊張していない状態」
これが非常に大事になると考えられます。
揺らす
座ってやります。
片方の足だけあぐらをかくように膝を曲げもう片方は長座の姿勢で前にただ投げ出します。
前に投げ出した足の方の膝の裏が地面から少し離れるように膝を曲げ、そのまま地面にトントントントンリズムよく叩き付けられるように曲げる伸ばす、を繰り返します。
30秒動かせば、足の付け根がぽかぽかしてくるのを感じられると思います。
ただし、痛みが強く出る場合、無理はしないでください。
ランジ
立って行います。
足を肩幅より大きく、同時に前後にも開きます。(片足立ちになった際にふらつかないようにご自身で安定する形で行います。)
この時両方のつま先も前を向くようにします。
次に、背筋は伸ばしたまま、両膝と股関節を曲げて地面に体が近づくようにします。(膝を曲げて体が下に沈みこむ感じです。)
前の膝が90度まで曲がるところまで体を沈みこませたら、屈伸するようにゆっくりと元の位置に戻します。(膝も伸びて、背筋を伸ばしている最初の状態です。)
こちらも膝や股関節に痛みを感じたら無理はせず、ストレッチ等で優しく伸ばすことに慣れてからにされて下さい。
四頭筋ストレッチ
片膝立ちの姿勢になります。
上記のランジの姿勢と最初のポジションは同じです。
後ろの膝はそのまま床につけ、後ろのつま先を手でつかみ自分のお尻の方に近づけます。(太ももの裏がつらないようにゆっくりやります。)
そのまま胸を張ると、太ももの前付け根が伸びることを感じられると思います。
この時、付け根側の伸びを強めたい場合、そのままの体勢からおへそを前に突き出すようにします。
ただし、腰の痛みがある場合は無理はしないで下さい。
30秒を目安にゆったりと伸ばします。
ハムストリングストレッチ
太ももの前側だけでなく、裏側も伸ばします。骨盤周りの柔軟性を保つ為に必要です。
立ったまま行います。
少し高さのある(膝の位置くらいの)台の上に片足のかかとを乗せます。
片足立ちになりますのでバランスを崩さないようにどこかにつかまりながら転倒しないようにされて下さい。
そのまま胸を張り、お尻を後ろに少し引くような意識で上半身を前に倒します。(猫背にならないように胸は張り、目線はしっかり前を向きます。)
この時、必ず股関節(鼠径部)から曲げるようにして下さい。
こちらも30秒を目安にゆったりと伸ばします。
血行不良になった筋肉の中にできた固いしこりは、関節の稼働を制限してしまうばかりでなく、力を入れてるつもりはないのに常に緊張状態を作り出します。
これが冒頭でお伝えしました、力が抜けない原因の一つです。
特に股関節回りに関与している筋肉は種類も役割も豊富な為、一度固まるとしぶとく固さが残ることが多いものです。
トリガーポイントをリリースすることで血行も改善され、本来の筋肉の柔軟性を取り戻したら再び固く緊張させない為にも上記のストレッチとエクササイズは有効な手段の一つです。
また、デスクワーク中の工夫として、例えば1時間に1回タイマーをセットしてそれが鳴ったら一度立ち上がる、などは今日からでも始められますのでぜひやられてみて下さい。
「痛み」には、大きく分けて2つの種類があるのをご存知ですか?
一つは、「ケガ」の痛み。急性痛とも言われ、転んで擦りむいた、から始まり、切り傷、打撲、または骨折など、損傷を伴う痛みがこれに該当します。
これらの痛みに対しては、多くの方がその対処法をご存知です。
一般的には安静や冷却などで、ケガが癒えるのを待つ、というのが正しい処置です。
一方で、「ケガ」ではない痛みというものが存在します。
肩こり、腰痛を筆頭に、頭痛や首痛、または手足のしびれなど、慢性痛と呼ばれるものです。
慢性痛の範囲はとても広く、一見、ケガをしたと思って冷やして安静にしても、2ヶ月3ヶ月、下手をすると1年以上も同じ痛みに悩まされる事があります。
もしもその痛みが「ケガ」なのであれば、安静、冷却で治るはずなのですが、慢性痛の場合、残念ながらその方法ではなかなか良くなってはくれません。
「ケガ」ではない痛みに、「ケガ」の処置をしても、残念ながらそのつらい痛みは改善するどころか、より根深い症状になってしまうことさえあります。
逆に、正しい知識で正しい処置さえ行っていけば、どんなに「つらい痛み」であっても、決してあきらめる必要はありません。
カイロプラクティックはアメリカで100年の歴史を持つ、痛みに特化した医学です。
「つらい痛み」でお悩みの方、是非一度ご相談ください。